従業員は会社で最も重要な資産の一つです。にもかかわらず、多くの場合、企業は人材の管理と未来に向けた計画の策定に苦労しています。実際、米国人材管理協会(Society for Human Resource Management)の調査によると、人事担当者の43%が、人材こそ、企業が直面する最大の「投資における課題」であると述べています。
企業が離職率、スキルギャップ、過剰雇用、生産性の低下、変化し続けるビジネス環境に悩まされていれば、その対応に四苦八苦しているのも不思議ではありません。しかし、これらの問題は、戦略的な人事計画により軽減することができます。
ここでは、下記のヒントを使って適切な人材を適切なタイミングで適切な場所に配置する人事計画を立てる方法について説明していきます。
人事計画とは?
人事計画とは、(通常は人事部が中心となり)企業が組織の人材ニーズを評価および特定する戦略的計画プロセスのことです。つまり、優れた人事計画は、組織が目標を達成するために必要な従業員の数と種類を理解するうえで役立ちます。
人事計画は、次の質問に答えてくれます。
- どのような作業を行う必要があるか?
- 何人雇う必要があるか?
- この業務のために、どのようなスキルや経験が必要か?
- どのようなスキルギャップを埋める必要があるか?(または、過剰雇用となっているところがあるか?)
人事計画は、会社全体を対象に策定することも、より人数の少ないチームや部署、さらには個々のプロジェクトを対象に策定することもできます。
たとえば、貴社の来年度の事業目標が営業担当者を増員することである場合、人事計画を使って、営業部の拡大に向けた準備を進め、適切なスキルを持つ人材を適切なタイミングで採用することができます。
それだけではありません。人事計画は次の点においても会社に貢献します。
- 人件費を削減して生産性を最大化すること。
- スキルギャップを解消すること。
- 従業員のエンゲージメントを高めること。
- 従業員の定着率を高め、離職率を低減すること。
- 顧客体験を向上させること。
- ビジネスの成長を合理化すること。
明確な人事計画を立てれば、成長の遅れや商品やサービスの品質を損なうことで顧客の不満やビジネスチャンスの損失につながる問題を防ぐことができます。
人事計画は、企業が効果的に人材を募集、雇用、および育成するのに役立つだけでなく、組織内の予算編成および財務上の決定にも役立ちます。
人事ニーズを見定めるには?
人事計画には、大きく分けて以下の3つのステップがあります。
- 現在の人事における状況を把握する
- 将来の人事ニーズを予測する
- これら2つの間のギャップを特定する
人材ニーズを把握したら、そのニーズに対応するための推奨事項をまとめます。その中には、新しい人材の募集と採用、社内での昇進、研修と従業員の育成への注力、契約社員の増員などが含まれるかもしれません。これらの予測や推奨事項は、会社全体の人材計画を立てるのに役立ちます。
では、下記のヒントを使って人事ニーズを明確にし、将来に向けた計画を立てる方法について学んでいきましょう。
1. 事業目標を明確にする
人事の計画と変更に着手する前に、貴社の包括的な事業目標が何であるかを知る必要があります。これらの目標は通常、戦略的な事業計画に記載されています。この計画をもとに会社の目標を明確にし、それに応じて人事計画を検討していきます。
人事は、良くも悪くも業績に影響するため、これら2つの計画の目標が一致していることが重要です。
たとえば、貴社が新たな拠点を開設しようとしている場合、今いる従業員を異動させるか、新たに従業員を雇う必要があるかもしれません。事業計画は、このような人事における決断を下すのに役立ちます。
2. 現在の人事における状況を把握する
人事計画を立てるには、まず現在、人事がどのような状況にあるのかを把握する必要があります。
中身が正確で充実したHRデータベースがあれば、この手順はかなり簡単です。一方、複数のソースで人事情報が分散している場合は、まずそのデータを1つの信頼できるソースに統合する必要があります。適切な部門長(または経営者)やマネージャーと協力して、人事に関する正確で完全なデータを確保できるようにします。
人事データを1か所にまとめたら、現在、人事がどのような状況にあるのかを見極め、そのデータから実用的な情報を引き出し始めます。
その際には以下のことに注目するようにしてください。
- 従業員の数
- 人員配置(各部門に何人いるか?どの従業員がどの部署に配属されているか?)
- 部門内のスキルとコンピテンシー
- パフォーマンスが高く、次のリーダーとなり得る従業員
- パフォーマンスが低く、離職する可能性が高い従業員
- 従業員の年齢および在職期間(退職者数を予測するため)
これらのデータを引き出すことは、現在、人事がどのような状況にあるかをより正確に把握し、将来の人事のニーズと機会をより的確に特定するのに役立ちます。
また、Lucidchart を使えば、簡単に現在の従業員の評価を行い、新しい知見を得ることができます。具体的には、社員データを直接 Lucidchart にインポートして組織図を作成したり、Smart Containers で従業員を役割、能力、業績別に分類したりすることができます。従業員を可視化することで、重要な関係や相関性、人材におけるギャップの特定が可能になります。