品質の家テンプレートの使い方
新しいスマートフォンを設計する企業を例に、品質の家をまとめるプロセスを見ていきましょう。
1. 顧客のニーズと評価を追加する
品質の家の左側に調査に基づき最も重要な顧客ニーズを入力します。例えば、この例では、顧客はスマートフォンの購入時に以下の特性を気にかけます。
- サイズ
- 軽量
- カンタン操作
- 信頼性が高い
- 安価
- 大画面
- バッテリーが長持ち
- カメラが高品質
リストアップした顧客ニーズの隣に、それらの要件の重要度を1から5のスケールで評価します。顧客がいくつかの性質を重要視するかもしれませんので、例えば5や4が複数あっても構いません。また、評価は整数でなくても結構です。
右側には、各要件につき、顧客の重要度評価の比率を入力します。比率は要件の評価 (1~5) をすべての評価の合計で割って算出します。
2. 設計要件を列挙する
関連マトリックスの上に、重量、製造費用、オペレーティングシステムなど、製品の設計要件を水平に追加します。
3. 顧客ニーズと設計要件の関連を検討する
以下の記号を使い、関連マトリックスで各設計パラメーターが顧客ニーズにどの程度影響するかを特定します。
例えば、顧客が手頃な価格のスマートフォンを希望する場合には、製造費用が価格に大きく影響してきます。製品に使用されるオペレーティングシステム、バッテリーやガラスも全体的なコストに影響しますが、影響度はさほど強くありません。
関連マトリックスへの入力が終わったら、各設計要件の重要度評価と重要度の比率を追加していきます。重要度評価は、重要度評価のパーセンテージに各顧客ニーズとの関連スコアを掛け合わせて算出します (この例では、顧客にとっての「サイズ」の重要度は4%、関連スコアは9のため、重要度評価は0.36)。これらの数値を合計して重要度評価を出します。
重要度評価をすべて算出したら、各評価をパーセンテージの合計で割ります。最も重要性評価またはパーセンテージが高い要件が、企業が優先すべき、また投資を強化すべき機能となります。
4. 相関マトリックスを作成する
相関マトリックスは、設計要件が相互に及ぼすプラスとマイナスの影響を決定します。
各設計要件の上に、その機能や特性が低い (下向き矢印) 方がよいか、高い (上向き矢印) 方がよいかを記号で示します。例えば、スマートフォンの重量は軽いほうが望ましいため、下向き矢印を追加し、他方で、バッテリーは高い (=長持ちする) 方がよいので、上向き矢印を追加します。評価は状況により異なります。
これらの上向き/下向き矢印に基づき、設計要件間の相関を判定します。相関マトリックスの凡例を使用し、適切な記号 (2つの機能間の四角内に配置) でこれらの関係を指定します。
例えば、オペレーティングシステムはスマートフォンの推定寿命に大きく影響します。これらのいずれにも上向き矢印があるため、2つの機能には強い相関があるということになります。
5. 競合状況の調査を追加する
最後に、競合評価を行い、現時点で顧客ニーズのそれぞれに対して各社がどう対応しているかを測り、見過ごされている内容や競争優位性を獲得できる点を判断していきます。
相関マトリックスと競合状況の調査は重要度評価には影響しませんが、最も重要な顧客ニーズや設計要件を判定する上で役立つ材料となります。
これで品質の家が完成しました。顧客のニーズや要望に訴える上で製品に絶対になくてはならない内容を探る上で、この図が道案内役を果たします。また、顧客の声を文書化し、製造過程ですべてのプロセスを予定通り進めるためにも有用なツールとなります。
チームで QFD を使うべきタイミング
QFD や品質の家の作成には多大な労力を要するように思えます。なぜ、顧客のニーズを測り、そのニーズに合わせて開発を行うために、こうも面倒なプロセスを経なければいけないのはなぜでしょうか?その理由は、QFD が以下の内容がひとつでも当てはまる企業に大いに役立つためです。
- 顧客満足が組織の主な目標である。
- 開発に遅延が発生している。
- 顧客のニーズに関し、部門間でのコミュニケーションがうまく取れていない。
- 製品とプロセスに関する意思決定に明確なガイドラインがない。
- 明確に文書化された製品の定義がない。
- 新しい市場に参入予定だ。
- 製品の性能が予想通りでない。
- 製品が生活必需品となっている、または消費者にすでに生活必需品として見られている。
- ニーズが異なる複数の顧客を抱えている。
また、製品の開発と市場投入に時間がかかればかかるほど、開発に費やすリソースも増えていくものです。開発プロセスを迅速かつ効率的に進めることは、組織にとってメリット以外の何物でもありません。
Lucidchart を使えば、QFD を使って品質の家をスピーディに作成できます。また、無料のテンプレートでリアルタイムでいつでも最新の状態に保てる品質の家を作成し、部署内の誰とでもわずか数秒で手軽に共有できます。